漢方とは

西洋医学では、検査や状態などで「病名」を明らかにして薬剤の投与や治療を行います。
しかし、東洋医学では病気に対する「反応」を見て判断、治療を行います。
治療法のひとつに漢方薬を使った治療法があります。
他にも養生、気功、整体、薬膳、鍼灸などを含んだ広い意味で使われることも多いです。

 

 漢方は、古代中国医学を基本として日本の風土や気候を受け、独自に実践・発展してきました。
自然の物を活用し自然治癒力を高めようと考えられた日本独自の健康哲学になります。

 

 用いられる漢方薬は、植物や動物、鉱物などの天然物を加工(切る、乾燥する、蒸すなど)した生薬を2種類以上組み合わせた物で自然治癒力を高め、病気を治す力をアップさせ出来るだけ早い改善を求める薬になります。

【漢方の診断】

「陰陽(いんよう)」、「気・血・水」の概念によって診断します。

1)陰陽

◎陰(いん)・・・体力があって病気に対する反応が強い

◎陽(よう)・・・体力が失われ新陳代謝が低く、体温が保てない

 

2)気・血・水

身体の中を循環し生命活動を行っている要素。

◎気・・・目に見えないエネルギーのような物

不足「気虚」、異常「気逆」、流れの悪さ「気うつ」

◎血・・・血液とその動き

巡りが悪い「瘀血(おけつ)」、働きが悪い「血虚(けっきょ)」

◎水・・・血液以外の体内を循環する液体、リンパ液など

巡りの悪い「水滞(すいたい)」

↑上記を四診という独特の診察によって診断します。


「望診」 顔色や舌の様子など

「聞診」 話し方や声、呼吸や咳など

「問診」 全身の状態を細かく聞き取りする

「切診」 脈やおなかの様子を触診

 

薬膳

 薬膳の「膳」とは、食事という意味です。【薬食同源】という言葉が、基本となりすべての食べ物に薬効がある。
誤った食事は病を生み、正しい食事は病を癒すという考え方です。

 

 薬膳料理は、季節や食べる人の体調や症状に合わせて使う食材や生薬(簡保薬の原料)を組み合わせた料理のことです。
それらの料理のみならず自然界にあるもの全てを食べ物ととらえ、それぞれの個人によって異なる体質や各臓器などに適した食べ物をどう摂るか、それによってどのような効果が得られるかを重視し予防医学】の見方から料理を作ります。
食材や生薬と組み合わせや栄養・色・香り・味・形など全てが揃った物が食養生の方法ということです。

 

【薬膳の分類】

薬膳では、すべての食べ物を「食性」と「食味」という効能で分類します。

 

1)食性

◎体を温める・・・「温性」「熱性」

 内臓や血管の動きを活発にして血流の流れを良くする。

◎体を冷やす・・・「寒性」「涼性」

 体内のさまざまな炎症を抑え、解毒・利尿の促進の働き

◎どちらでもない・・・「平性」

 

2)食味

◎辛味・・・発汗を即し気の巡りを良くする

◎甘味・・・栄養を補う

◎酸味・・・汗を引かせる

◎苦味・・・熱や余分な水分を排泄する

◎塩味・・・しこり腫物を柔らかくし、血圧を上げる

 

 薬膳では、食べられる物の中で緩やかに作用して長期に食しても身体に何の影響もない物を「食材」、物としては有毒ではあるが量や使い方によっては病気を治す効果を持つ物を「生薬」としています。

 

 普通の食材だけで作る薬膳料理もたくさんあります。病気の時は治療を助ける、何もないときは病気予防・滋養強壮の目的で薬膳をチョイスするなど、体調や目的に合わせて毎日の日々に取り入れ使い分けるように出来ればいいですね。

 

まずは、自分の身体に必要な〝働き〟を見つけることから始めましょう。

食材は、身体の中で働きが一つ一つ違います。

元気になる、ストレス発散、栄養を補う、血液を促す、身体を潤す、水分循環・・・さまざまです。
その時にその季節に合った食材を≪あなたの身体に今 必要な働きを≫考えて食べることが重要となります。
そうやって毎日の食事で、自分の身体をサポートしていくことが薬膳の基本であり、漢方の考え方でもあるのです。


薬膳料理だから特別な材料を使わなければならない、あっさりした料理でなくてはならないなど〝従来の薬膳のイメージ〟から脱却して、一般の食材を使って美味しい薬膳料理を作ることを目指しましょう

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